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電通と電通PRコンサルティングってどんな関係なの?

「電通」と「電通PRコンサルティング」(以下電通PRC)って同じグループ会社というけれど、どんな関係なの?仕事は一緒にするの?共通点や違いは?などなど学生の皆さんにはなかなか分からないことが多いと思います。今回は、それらの疑問を、電通および電通PRCの社員に直撃インタビュー!

電通からは、電通PRCに出向経験のある伊豆原浩太さん、電通PRCからは電通に出向経験のある藁科遼さんと、伊豆原さんはじめ電通との協業プロジェクトに関わることが多い松尾雄介さんに、若手社員の佐藤夏子がお話を伺いました!

Profile

【電通PRコンサルティングへ出向していました!】

伊豆原 浩太 (いずはら こうた)

家電メーカーにてアジア市場向けプロダクトマーケティングに携わった後、電通に入社。プランナー/コピーライターとして、さまざまな業界のコミュニケーションプランニングに従事。また、「ソーシャルグッド」をテーマにしたプロジェクト開発からTV番組企画まで幅広く手掛ける。2018年4月から1年半電通PR(現:電通PRコンサルティング)に出向。受賞歴にカンヌライオンズ、クリオ賞、日経広告賞、日本雑誌広告賞、日本PRアワードグランプリ、スポーツPRカンファレンス、SDGsクリエイティブアワード 他。

【電通に出向していました!】

藁科 遼 (わらしな りょう)

2009年電通パブリックリレーションズ(現:電通PRコンサルティング)入社。入社当初からプランニング&コンサルティング部門に所属。その後、2015年から2年間電通へ出向。帰任後はプランニング&コンサルティング部門で、消費財メーカーや金融サービスなどを担当。趣味はアウトドアスポーツで、基本的には趣味だけをして生きていきたいタイプ。がぜん、休日のほうが元気。

【電通とたくさんお仕事しています!】

松尾 雄介 (まつお ゆうすけ)

2009年電通パブリックリレーションズ(現:電通PRコンサルティング)入社。プランニング&コンサルティング局(現:PRソリューション局)を経て2019年から統合コミュニケーション局コミュニケーションデザイン部に所属。“世の中発想”のプランニングに日々奮闘しながら、プロモーション・イベントなどを手掛けている。数年前に郊外に移住、休日はスローな生活を楽しんでいる。

佐藤夏子(以下:なつこ)

本日はよろしくお願いします!

伊豆原さん/藁科さん/松尾さん

お願いします~!

なつこ

すみません、皆さんのプロフィールには書いたんですが、テキストで見ると学生の皆さんには関係が分からないかもしれないので、一度整理させていただくと、こんな感じで合っていますか…?

松尾雄介さん(以下:松尾)

そんな感じですね。ちなみに藁科と僕は2009年入社の同期でもあります。

なつこ

ありがとうございます!では早速どんどん伺っていきます~!

【出向してみて分かる両社の特徴】

電通でしか味わえないダイナミズム/PRならではのメディアインサイト

なつこ

まずは、今回皆さんにお話を聞こうと思った理由は、出向や協業の経験から、両社のことをよく分かっている皆さんにリアルなことを聞けると思ったからです。早速ですが、電通へ2年間出向していたという藁科さんから。電通に出向してみて、実際に在籍して感じた電通とはどんな会社でしたか?

藁科遼さん(以下:藁科)

僕は2015年から2年間電通に出向していました。ちょうどよくも悪くも“PR”という言葉がはやっており、型にハマらない、電通内でのどこに頼めばいいのか分からない案件がそろう局だよと、所属部の先輩が言っていましたが、まさに全てを表しているように思います。

ただ、電通は規模がとても大きい案件が本当に多く、統合コミュニケーションを一気通貫でプロデュースできる。他では体験できないダイナミズムを学ばせてもらいました。

なつこ

大きな案件や、さまざまな手法を組み合わせた統合コミュニケーションをプロデュースできるのは、やはり電通グループの大きな強みですよね。

一方で、電通から電通PRCに出向された伊豆原さん。ご自身の希望あってのことと聞きましたが、きっかけがあったんですか?

伊豆原浩太さん(以下:伊豆原)

電通に入社してから、マーケティングやクリエーティブの部署を経て、PRを標ぼうするチームに所属することになったんです。けれども、異動当初は、PRの勘所がなかなかつかめず苦労していました。そこで、日々のメディアの方々との向き合いをはじめ、PRのいわゆる「最前線」でお仕事をされている電通PRCに行くのが、PRの足腰を鍛えるのに一番の近道なのではと思い、出向させていただきました。

なつこ

実際に電通PRCに来られて、いかがでしたか?

伊豆原

分からないことだらけでしたね。リフティングをしたこともないのに、ワールドカップに出ようとしていたくらい(笑)。

例えば、パブリシティ(クライアントの情報をメディア等でオンエア・掲載されるよう働きかける)の話でいえば、どうすれば、メディアの方々に興味を持っていただけるのか(=いわゆるメディアインサイト)を、しっかりと把握できていなかったことに、改めて気付かされました。

というのも、電通では、どうすれば生活者に興味を持っていただけるのか、いわゆる、生活者インサイトを常に意識してプランニングの仕事をしてきました。だからこそ、PR領域においても、カウンターパートであるメディアの方々のインサイトをしっかりと意識したプランニングを徹底することが大切だと思い、そこを常に意識しながら、出向期間中、さまざまな仕事をさせていただいていました。

藁科

なるほど…。メディアインサイトは、どうやって知っていったんですか?

伊豆原

メディアの方々と、日々直接会話を重ねることで、勉強させていただいていました。常日頃から、メディアの方々と向き合われている電通PRCにいたからこそ、得られることができた貴重な経験だったと思います。

なつこ

私も電通PRCに入社して「これだと、テレビで報道されるのは難しいよ」とか「このWebメディアでは、もっとこういう切り口で持っていった方がいいよ」といったことを先輩から教えてもらいます。それってつまりメディアインサイトですね。確かにPRにはその視点が欠かせませんね。

【電通と電通PRコンサルティングの違いって…?】

広告は「ワンメッセージ・ワンビジュアル」、PRは「マルチコンテクスト」

なつこ

少し前の質問とつながっていますが、電通と電通PRCで、考え方や風土の違いを感じることはありましたか?

伊豆原

考え方でいうと、情報を「絞っていくのか」「広げていくのか」という頭の使い方が違うなと思いました。

広告って「ワンメッセージ・ワンビジュアル」。たくさん情報がある中で、そぎ落としていき、コレだ!というシンプルな一つのメッセージにしていくことが多いんです。でもPRって「マルチコンテクスト」なんですよね。ストーリーをたくさん用意して、最終的に受け手(メディアや生活者)にどう解釈していただくのかを、委ねます。

松尾

そうですよね。PRって、相手の解釈があって成立するものですよね。一つの商品の場合でも、いかに「伝わる」情報にできるか。たとえば、メディアの方に説明をするときでも、関心に合わせて、いろんなストーリーを考えます。日常生活で、友人と会話するときも、相手の興味や関心、笑いのツボなど相手によって話し方を使い分けると思います。それと同じですね。

伊豆原

確かに、PR業界って、社交的な方が多いのかもしれないですね。人との関係づくりを常に意識されているように感じます。電通で行うセミナーでも、名刺交換しに行く人って、電通PRCの人が多い気がします(笑)。

なつこ

広告は「絞る」。PRは「広げる」。似ているようで思考が全く違いますね!では、実際仕事を一緒にされている中で感じる違いなどはいかがでしょうか?

伊豆原

パブリシティの話でいえば、例えば、どういう画やストーリーがそろえば、メディアの方々に興味を持っていただけるのか。そのバリエーションを、いかに多く事前に用意できるかで、オンエアや掲載の確度が変わってくるということを痛感しました。広告発想だと、つい、メッセージの数を絞っていきがちなんですよね。

また、あるプロジェクトの立ち上げに当たっては、どうすれば、そのプロジェクトが拡大・成長していくか。そのために、どんなパートナーと連携するべきかという課題がありました。その際、連携先が持つ「機能」だけに注目するのではなく、「この組織と連携すると、社会的に説得力・影響力があるから、結果、他のさまざまな組織もステークホルダーになってくれる可能性が高まる」といったアドバイスをいただきました。こういった、将来的な合意形成をも意識したプロジェクトのつくり方というのも、まさにPRらしいなと思いました。

松尾

みんながやりたくなる、参加したくなるような旗を立てるのも一つの方法ですよね。「この指止まれ!」の旗を立てると言ったりもします。その企画に、自分自身や身近な人が反応したくなるか。生活者としての客観的な目線も持ってプランニングしていないと、結局、誰も反応してくれないし、伝わらないんですよね。

伊豆原

そうそう!

藁科

同期がそれっぽいこと言っているっ!

なつこ

個人的な感覚になるかもしれませんが、電通と電通PRCで、働き方というか、仕事のスタイルの違いってあったりしますか?

藁科

個人的な意見ですが、働き方でいうと、電通PRCの方が「現場から必死に学んでいく・ついていく」イメージが強いですね。電通は人数も多くセクショナリズムもしっかりしているので「専門とする領域の考え方を体系的にじっくり学ぶ」印象を受けました。どちらがいい、悪いということはないと思います。最終的には、双方の経験が必要だと思いますし、どちらかだけだと大成しないのかなと思います。

【電通PRCだからこそできることって…?】

PRがやりたいなら、電通PRCに行くべし。

なつこ

「電通と電通PRCって何が違うの?」と、就活時代に私も感じていました。どういう選択基準がいいんでしょうか…?電通だから/電通PRCだからこそできることはありますか?

藁科

うーん…。「だからこそできること」はないと思いますが、発想の出発点が違うのが両社の違いであり、お互いのよさではないかとは思います。

伊豆原

PRに限らず、より広く「コミュニケーション全般」の企画立案に関わりたいという方は、電通の方がいいかもしれません。一方で、絶対にPRの仕事がしたいと心が決まっているなら、電通PRCに入る方が確実だと、個人的には思います。電通のような7000人規模の大きな組織では、部署によって扱う業務が多岐にわたり、PRの業務に携われるかどうかも、配属次第になるところが大きいからです。

なつこ

なるほど、両者の得意なことや自分は何がやりたいかを見極めることが重要ということですね。

【今後電通と電通PRCはどうなる?】

よりフラットな関係が加速していく。

なつこ

電通グループは2020年1月にホールディングス化されました(くわしくはこちら)。ズバリ!電通と電通PRCの今後の関係について、どうなっていくと思いますか?

伊豆原

これまでよりも、さらに一緒にさまざまな案件をご一緒する機会が増えればいいなと思っています。電通が持つ総合的なソリューションと、PRに特化した電通PRCならではのソリューションとの掛け合わせで、提案の幅も、より広がると思っています。

松尾

そうですね、お客さんにいいものを提供するために、柔軟にいろいろな組み方は試していきたいです。あとはグループ全体として、よりフラットな組み方が加速していくと思います。せっかく電通グループがあるのだから、いろんな会社と協業したいですね。

藁科

グループの中で電通PRCが存在感を持っていくためには、前提として、世の中を誰よりも広く考えようとする思考をまず持っていることが大事ですよね。自分と同じ能力を持っている人に、仕事を頼まないので。

なつこ

お互い補完しながら協業できたら、よりよいものが作れるということですね!。

伊豆原

2019年の出向を経て、個人的にも、さらに協業しやすくなったと感じています。本日お話させていただいた松尾さんとも、現在も複数の案件を進めています。

松尾

そうですね。伊豆原さんとは、いま2~3のプロジェクトを一緒にやっていますが、企画の最初から一緒に進めています。

【今後の目標】

「PRとは愛とリスペクト!」

なつこ

いろいろなご経験をされてきた皆さん。最後に、ご自身の今後の目標などお聞かせいただけますか?

松尾

自分たちで「PR」の枠を狭めずに、未体験のことをしたいですね。あと、常にゾクゾクする仕事をしていたいです。

藁科

僕も、今までやったことない仕事を意識的にしようとはしています。発想の基点は、PR会社にしかできないことを意識しています!意識だけで本当にできているかは、謎ですけどね。

伊豆原

世の中を揺るがすようなキャンペーンを手掛けてみたいですね。あとは世の中に還元していく仕事。商品が売れるのはもちろんですが、社会がちょっとでもよくなるような仕事もできればいいなと思っています。

藁科

あとは、優しくありたいね(笑)。

伊豆原

本当にその通りだと思います(笑)。

松尾

PRって、「優しさ」とか「愛」が大事! 相手の立場に立って、課題を一緒に考えられるか。あとリスペクトも忘れちゃいけないです。

なつこ

ちなみに、「愛」って、具体的にはどんなことでしょうか?

松尾

“想像する”ことですね(キリッ)。

一同

おおおお。

なつこ

本日は貴重なお時間とお話を本当にありがとうございました!

インタビューを通じて、電通と電通PRCは、異なる会社ではあるものの、コミュニケーションを通じて世の中をもっと良くしていきたい、という思いは同じかと感じました。それぞれ違いや得意なことを理解し合い、「愛とリスペクト」をもって一緒に仕事をすることで、「フラットな関係」で協業できたらすてき。そして、今後一層お互い歩み寄りながら仕事をすることで、もっと成長を遂げていければと思います。(なつこ)


【撮影協力】西村克也

Writer’s Profile

プランニング&コンサルティング局

佐藤 夏子 (さとう なつこ)

2019年電通パブリックリレーションズ(現:電通PRコンサルティング)入社。初配属はプランニング&コンサルティング部門。電通やグループ会社と一緒にお仕事をする機会は多いものの、まだまだ分からないことばかりで日々勉強中。今回は先輩社員にインタビューということでかなり緊張しています…。最近は料理とドラマ鑑賞がマイブーム。ちなみにこの間、人生初のバッティングセンターへ行ったが、1本も打てず…。今年中に、目指せ特大ホームラン!