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PR会社でもSNS施策ってできるの?デジタル部門の社員に聞いてみた!

PRを取り巻く環境は日々変化しており、とりわけメディアについては今やSNSを抜きにしては語ることはできません。

当社にもSNSをはじめとしたデジタルPRに専門的に取り組む部署、統合コミュニケーション局デジタルアクティベーション部(以下、DA部)があります。DA部は、デジタルに関する業務が集まり、インフルエンサーとのタイアップの提案、企業の公式SNSの運用、WEBサイトのコンサルティングなど、業務が非常に幅広いのが特徴です。

DA部では中堅社員と若手社員でチームを組んで業務に当たっており、今日は若手社員の中曽根と赤井が、同じチームの先輩社員の深谷と山崎に気になる話題をインタビューします。手掛けた事例からデジタルPRの未来まで、デジタルPRの面白さを伝えます!

Profile

統合コミュニケーション局デジタルアクティベーション部

深谷 朋宏 (ふかや ともひろ)

2016年入社。
PRソリューション局、電通・ビジネスプロデュース局への常駐を経て、DA部発足当初から所属。
SNSを用いたPR施策を企画・実施する傍ら、社内のデジタル水準を高めるためのレポートの発行や勉強会の運営も担当している。

統合コミュニケーション局デジタルアクティベーション部

山崎 珠里 (やまざき じゅり)

2021年に中途入社。
前職では、若年層向けWEBニュースメディアで広告施策のプランニングや、他のデジタルメディアとの連携などを担当。より幅広い施策を手掛けられることに面白さを感じて電通PRコンサルティングに入社。

統合コミュニケーション局デジタルアクティベーション部

中曽根 亜純 (なかそね あずみ)

2021年入社。
入社時にDA部に配属され、配属当初から先輩社員の深谷と同じチームで業務に従事。主にインフルエンサー領域や企業のSNSでの情報発信設計を行っている。

統合コミュニケーション局デジタルアクティベーション部

赤井 咲月 (あかい さつき)

2022年入社。
入社時にDA部に配属され、深谷チームを経て、現在は山崎チームで業務を行っている。主にインフルエンサー領域での企画・進行を担当するほか、企業サイトのコンサルティングなど、幅広い業務に挑戦中。

デジタル施策で継続的に口コミを作り続けたプロジェクト「Meatful」

赤井

印象に残っているデジタル施策の事例はありますか?

深谷

2022年からお手伝いしている日本ハムさんのD2C事業※1「Meatful」のデジタルプロモーションです。「Meatful」は、お酒とお肉のペアリングセットや北海道の逸品、新感覚ジャーキーなど四つのサービスが楽しめる、情報提供から直販までを一気通貫するサービスです。

#MeatfulTime いい肉を言い訳に、会話しよう

D2C事業のため、話題化から販売まで、一貫してデジタルで実施する前提だったので、デジタルでのPRはどのようなことができるか、日本ハムさんとお話しするところからスタートしました。

デジタルでどう話題化していくかという観点から、発信するメッセージや、それを生活者に届けるためのインフルエンサー施策、WEB CMの制作、YouTube、Instagram、XなどのSNSアカウントの活用といった全体的な戦略を考え、実行していきました。

※1 メーカーがECサイト等を介して顧客に直接販売するビジネスモデル。

中曽根

「Meatful」のプロジェクトを進めるに当たって、気を付けたことはありますか?

深谷

「Meatful」は、特定の日だけSNSで盛り上がれば良いというものではなく、3カ月ほどかけて、じわじわと話題化していくことを理想としていたので、「この日に、このSNSで、このインフルエンサーに話題化してもらう」ということを緻密に設計しました。そこに絶対の正解はないので、世の中の出来事やリスク等も踏まえながら、最適なタイミングを探っていきました。

中曽根

デジタルプロモーションが中心となったことで、大変だったことはありますか?

深谷

例えば、ある商品がテレビ番組に取り上げられても、それがどれだけ店頭での売り上げにつながったのか、正確に把握することはできませんが、「Meatful」のプロジェクトはデジタル施策がメインだったので比較的効果測定しやすく、顧客が何を見て購入したのか分かります。

施策のない時期はサイトへの流入数が減るので、恒常的に口コミを増やす方法や、本当に商品を気に入って薦めてもらうための工夫を考えていきました。PRの技術を使った新しい挑戦はどれも大変でした。

TikTokの勝ちパターンを見つけるために試行錯誤

赤井

山崎さんにとっての印象深い事例は何ですか?

山崎

長くサポートさせていただいている企業のTikTokアカウントの立ち上げと運用です。アカウントの立ち上げ、投稿する動画の制作、投稿への反応を見て、次に生かすといった一連の流れを担当しています。

赤井

具体的には、どのようにTikTokを運用しているのでしょうか?

山崎

こちらの企業では毎月たくさんの商品が発売されますが、その中からTikTokと相性が良さそうな商品をクライアントさんと一緒に選びます。その後、投稿する動画の構成案を作り、撮影チームとやりとりを重ねながらイメージを共有し、毎月8本ほどの動画を制作しています。それらをTikTokに投稿して、反響が良かった理由、悪かった理由などを分析しながら、フォロワー数や動画の再生回数を増やすためのレポートを作成し、PDCA※2を回しながら改善しています。

※2 Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返し、業務効率を改善する流れ。

中曽根

プロジェクトで苦労したことはありますか?

山崎

企業や商材によって勝ちパターンが全く異なってくるので、そのパターンを見つけるのに試行錯誤したことです。

TikTok自体が他のSNSに比べて歴史が浅く、アルゴリズム※3がどんどん変わる中で、「昨日は良かったのに、今日はダメ」みたいなことが起こる苦労がありますね。

また、TikTokに同じようなカテゴリーの動画を投稿している先駆者がいなかったので、フォロワー数や動画の再生回数が多い企業アカウントの動画をコマごとに見て、何十秒に何カットあるか分析して、取り入れられそうな良いクリエイティブを模索するといった地道なこともやっています(笑)。

軌道に乗るまでは、どうすればフォロワー数や動画の再生回数が伸びるのか手探り状態で、開始から3カ月ほどかけて、ぼんやり見えてきたポイントを精緻化しつつ、日々、勝ちパターンを模索していますが、それを見つけ出すのは面白いですね。

※3  SNSのフィードやタイムラインでどのコンテンツを優先的に表示させるかを決めるための仕組み。

趣味から仕事へ

若手社員にとってのデジタルPRという仕事

深谷

若手の二人から見て、デジタルPRの面白さはどんなところかな?

赤井

これまで趣味で見ていたYouTubeやInstagramを仕事に落とし込める面白さがあります。DA部はデジタルPRを担う部署なので、最近まで学生だったという立場から、1年目のときから意見を求められることも多く、若さを生かして自信を持って仕事に取り組めます。

中曽根

学生時代に趣味で使っていたSNSの知識をそのまま生かせますし、配属前の研修中に実際にデジタルPRの仕事に携わってみて楽しかったので、DA部に配属されてうれしかったです。

山崎

SNSを仕事で使うようになってから、使い方に変化はあった?

赤井

(インフルエンサーとのタイアップという観点から)インフルエンサーと商材との親和性を重視するようになり、「こういう人なら、こういう商材が合うかもしれない」という視点でYouTubeを見るようになりました。

中曽根

インフルエンサーとの違和感のない、より説得力が増すタイアップを実施するために、SNSでインフルエンサーの愛用品、本当に好きなオススメ商品をチェックして、リストアップしています。

デジタルPRが不可欠な時代に

PR会社だからこそ手掛けられるデジタル施策の可能性

赤井

今後、デジタルPRの領域はどうなっていくでしょうか?

深谷

最近では、企業の一般向けイベントをいかにSNSにアップしてもらうか、それをきっかけに来場してもらうかといったご相談もあり、今後ますますSNSでの拡散を前提として、SNSカルチャーを踏まえたPR企画を考える必要性は高まるだろうなと思います。デジタルPRと他の施策の境界は一層なくなっていくでしょうし、可能性は無限でしょうね。

山崎

個人個人が発信者と呼ばれる時代となり、「対メディア」と言ったときに、マスメディアだけでなく、一般の方が含まれるようになったので、どの案件にもデジタル施策を入れた方がPRとしての広がりがあるでしょうし、当社が関わる案件も、全体的にそういった流れになっていると思います。

中曽根

デジタル系の会社が数ある中で、PR会社がデジタル施策を手掛ける意味はどのようなところにあるのでしょうか?

深谷

SNS上にはいろいろな事情、考えを持つ方がいます。デジタル施策ではそれらを踏まえて、どういった着地点、合意をつくっていくのかということが大切です。相手の立場に立って、どんなメッセージなら届くかということを考えたり、参加してもらえそうな企画を作ったりすることができるPR会社だからこそ設計できるデジタル施策があると思います。

山崎

PR会社では、コンセプト作りから関われることも多いので、すでに決められたコンセプトに沿って、施策だけ実施するというパターンよりも、SNSカルチャーに合わせたコンセプトや施策を設計できますよね。

深谷

「PRは何でもあり」と言われるように、特定のメディアや手法に縛られずに、どんな施策でも手掛けられるのが大きな特徴です。店頭で企画を仕掛けることも、メディアで取り上げてもらうことも、イベントを実施することも、全てPRです。デジタルPRの観点でいえば、そうしたありとあらゆる施策を、SNSで発見されて話題になるところまで考えて企画できるのが面白いですし、ダイナミックな仕事だと思います。

就活中の学生の皆さんへ

深谷

PR会社、またはデジタルPRの仕事に向いているのは、どんな人だと思う?

赤井

PR会社には、いろいろなジャンルの仕事があるので、自分の趣味嗜好(しこう)にかかわらず、流行していることをやってみる、新しい分野の勉強をしてみるなど、広い視野を持ってチャレンジできる方は向いているのではないでしょうか。

中曽根

リスク感覚がある人は向いていると思います。SNSでの炎上が相次ぐ中、「この言い方、ちょっと危ないんじゃないかな」「こういう言い方に変えた方がいいかも」という感覚が大切になってくるので、炎上事例やそれに対するコメントなどの反応を見て、その感覚を養っている方は、特にデジタルPRに向いていると思います。

赤井

就活中の学生さんにメッセージをお願いします。

山崎

自分が趣味として楽しく見ていたSNSが仕事になり、知識を生かしながら、成長もしていける環境を若いときから得られるのがデジタルPRの良いところです。自分の「好き」が良い仕事につながるので、「SNSが好き!」「●●さんに会いたい!」といった意気込みがある方にはピッタリなのではないかと思います。一緒に楽しい仕事ができる日を楽しみにしております!

深谷

SNSで流れてきた情報に共感したり、「実際に商品を使ってみようかな」と買ってみたりすることは日常生活において自然とあることだと思いますが、それに近い仕事をしています。生活者が何を考え、何を大事にしているのかという価値観に寄り添って仕事をすることは、難しさもたくさんありますが、たくさんチャレンジできる面白さもあります。一人一人の共感や、ちょっとした価値観の変化をつくることで、世の中が少しずつでも動くことを実感できる良い仕事だと思うので、そんな仕事をしてみたい方はぜひお待ちしています。

<執筆>中曽根亜純・赤井咲月